
家賃が安いって聞いたけど、実際どうなの?
そんな声の多い社宅生活。
特に転勤族の方にとって身近な存在ですよね。
”社宅に住む選択肢が選べるなら”と、なんとなく社宅生活を始めた方もいるかもしれません。
筆者はこれまで7年間にわたり3か所の社宅に住んだ経験があります。
メリットだらけに見える社宅ですが、実際には「あるある~」と笑えない問題も多数・・
この記事では、実体験をもとにした”リアルな社宅のメリット・デメリット”を10項目で紹介します。
- 社宅のメリット5選
- 社宅のデメリット5選
- 社宅生活に向いてる?チェックリスト
あなたやご家族にあった住まいを見つけるヒントになれば嬉しいです!


社宅とは?知っておきたい基本情報
社宅と借上げ社宅の違い
「社宅」とは、企業が社員のために用意する住宅のことです。
主に以下の2タイプに分かれます。
- 社有社宅:企業が所有・管理する物件
- 借上げ社宅:不動産を企業が借り上げ、社員に提供



私が住んだ3か所の社宅はすべて①社有社宅です
この記事では主に、社有社宅に関するメリット・デメリットをお伝えします◎
社宅あるある|メリット5つ


1. 圧倒的な家計メリット|家賃を大幅削減
社宅生活の最大のメリットは、なんといっても住居費の安さです。
一般的な社宅では、家賃が市場価格の2〜3割程度に抑えられていることが多く、中には月額1〜3万円程度で住める物件もあります。
例えば、東京都内で3LDKのマンションを借りようとすると月額15〜20万円は覚悟しなければなりません。
一方、社宅なら3〜5万円程度で同程度の間取りに住める場合も。



年間100万円以上の差になることも珍しくありません
この浮いたお金は、
- 子どもの教育費に回す
- 家族旅行の費用に
- 将来の住宅購入資金として貯蓄
このように、さまざまな用途に活用できます!
特に転勤が多い時期は出費も重なりがちなので、住居費を抑えられるのは家計にとって非常に助かりますよね。
わが家も2万円ほどで社宅に住めた時期があり、貯蓄しやすかったのが大きなメリットだと感じています。
- 敷金・礼金なし
- 管理費・更新料もなし
- 設備が壊れたときも会社負担
- 転勤の際の引越し代もなし



このように住居費の負担は少なく、夫が若手の頃は大変助かりました!
2. 引越しの負担軽減|物件探しの手間ナシ
転勤族にとって避けて通れない引っ越し作業。
社宅なら、多くの会社で引っ越し費用を負担してくれるだけでなく、自分で物件を選ぶ手間も省けます。
- どのエリアが住みやすいのか
- 子どもの学校はどこが良いのか
- 買い物は便利か
このように、新しい土地での物件探しは土地勘がないと非常に困難です。
しかし社宅なら、会社がすでに立地や環境を考慮して用意してくれているので、そうした心配が軽減されます。
また、近隣挨拶のルールや安いスーパー・病院の情報なども先輩社員さんから教えてもらえることが多いです◎



慣れない土地での生活立ち上げがスムーズに進みますよ
わが家も、子どもが生後半年と2歳の頃に引越しを経験しましたが、本当に大変でした。
退去後の掃除業者も入らず、自分達で掃除して退去しないといけなかったため、当日は疲れ果ててげっそり・・



やることがたくさんある中、家探しをしなくていいのは本当にラクでした!
3. 安心の人間関係|同じ境遇の仲間との絆
社宅には同じ会社の人たちが住んでいるため、お互いの事情を理解し合える関係を築きやすいのも大きなメリットです。
特に転勤族同士では、”またすぐに引っ越すかもしれない”という共通の不安を抱えているため、自然と支え合う関係が生まれます。



子育て中のママにとっては、この人間関係は非常に心強いものです
- 地域の情報を教え合う
- 一緒に公園に行く
- 急な残業で保育園のお迎えに間に合わない時に子どもを預かってもらうことも
まさに、”遠くの親戚より近くの他人”を実感できる環境です。
転勤先で知り合いが一人もいないという状況は、特に小さな子どもを持つママには精神的な負担が大きいものです。
社宅なら最初から”知り合い”がいる状態でスタートできるので、新生活への不安が軽減されます。
わが家の場合も、子育て世代が多く住む社宅だったので頑張らなくてもママ友ができました。
また、社宅でお互い素性が知れている間柄は夫の職業を詮索されることもなく、生活水準も似ているため付き合いがラクでしたよ◎



私は社宅で一生付き合いたいと思える出会いがありました!
4. 子育てに好条件|多様な年齢層との交流
社宅には様々な年代の社員とその家族が住んでおり、同年代の子どもたちも多く住んでいることが多いです。
そのため、自然と友達ができやすい環境があります。



転校が多い転勤族の子どもにとって、住まいの近くに友達がいるのは心の支えになります
共用スペースがある社宅では、子ども同士で遊ぶ場所も確保されているため、親としても安心して子どもを遊ばせることができます。
わが家の場合も、晴れた日は敷地内で子どもを遊ばせることが多く、外遊びの回数は社宅時代が圧倒的に多かったです。
さまざまな年齢の子ども達が一緒に遊べる環境が当たり前のようにあり、子どもの発達にも良い影響があったのではと感じています◎
5. 立地の良さ|好条件の周辺環境
企業が用意する社宅は、従業員の利便性を考慮した立地が選ばれていることが多いです。
- 会社へのアクセスが良い場所にある
- 駅が近く利便性が良い
- 生活に必要な施設が近くにある
→ 病院や学校・ショッピングセンターなど



住みやすい環境が整っていることが多いです
わが家が住んだ3か所の社宅も、駅の近くにあり利便性はとてもよかったです◎
賃貸で住もうと思っても、家賃が高すぎて住めない場所でした。



一度は住んでみたい場所だったので、社宅で住めてラッキーでした
社宅あるある|5つのデメリット


1. プライバシー問題|常に見られている?
社宅生活最大のデメリットとして多くのママが挙げるのが、プライバシーの問題です。
同じ会社の人たちが住んでいるため、プライベートな時間や家族の様子が筒抜けになってしまう可能性があります。
- 休日に家族でどこに出かけたか
- 来客があったか
- 夫婦喧嘩をしたか
- 子どもが夜泣きしたか など



本来なら他人に知られたくない情報まで周囲に知られてしまうことも
特に小さな社宅では生活音も筒抜けになりがちで、常に気を遣って生活しなければならないストレスを感じるママも多いようです。
また、子どもの教育方針や家庭のルールについても、他の家庭と比較されたり、無用な口出しを受けたりすることも・・
子育てにおいて自分らしさを保つのが難しくなる場合もあります。
同じ境遇の子育てママが多いのは心強い反面、自分の子育ての軸がブレやすいことが私も悩みでした。
例えば、上の子が2歳になりたての頃、娘にはまだチョコを食べさせてなかったんです。



初めての子育てで食べさせるものに敏感になっていました
そんな時に、社宅のちょっと上のお姉ちゃんが、好意で娘にチョコをくれたんです。
夫の先輩の子どもだったのもあり、断りづらくてそのままチョコデビューをすることに。
うまく断ればよかったのかもしれませんが、社宅に入居したばかりの新人(?)だったので、当時の私には難しかったです。
2. 住環境への妥協|心地よさに限界あり
社宅は会社が用意した物件から選ぶため、自分の理想とする住環境を実現するのが難しいです。
例えば、
- 子どもが多い家庭なのに十分な部屋数がない
- ペットを飼いたいのに禁止されている
- 庭付きが希望なのにマンションしか選択肢なし
など、妥協しなければならない点が出てきます。
また、社宅では住人が設備の変更や改修を自由に行うことができません。
そのため、
- キッチンの使い勝手を良くしたい
- 子ども部屋をもっと機能的にしたい
こんな風に思っても、勝手にリフォームすることはできません。
わが家が住んだ社宅は建物自体が古く、中は一応リフォームはされていたもののカビが生えやすくスキマ風から虫が入ってくるような部屋でした。



日当たりの悪い部屋は梅雨時期にカビがすごかった!
また、エレベーターがない団地タイプの物件だったため、階段でベービーカーを持ってあがったり不便な部分もありました。
3. ルールや当番の窮屈さ|制約や当番事
また、社宅のルールや規則も厳しく設定されていることが多く、自由度の高い生活を望む家庭には窮屈に感じられる場合もあります。
- 定期的に掃除や当番がまわってくる
- インターネットなど会社指定あり など
社宅に住まなければやらなくて良いことや制約があることで、住みにくさを感じることも。
わが家が住んだ社宅では、ガス会社が指定されている物件がありました。
取引先の関係で、2年ごとに2つの会社を利用するシステムで。



プロパンガスだったので、毎月高かったです!
4. 突然の退去リスク|突然の家探し
社宅は会社の都合で突然退去を求められる可能性があります。
- 会社の方針変更
- 社宅の老朽化
- 土地の売却 など
このように、住人の意向とは関係ない理由で住み慣れた環境を離れなければならないことがあります。
特に子どもが学校に通っている場合、突然の転校を強いられる可能性もあり、子どもの教育環境に大きな影響を与えかねません。
また、地域に根ざした生活を築いていた場合、それを突然断ち切られるストレスは相当なものです。
夫の会社は社宅の年齢制限があるのですが、42歳まで住める規定だったのが急に40歳までに変更になり・・
年齢制限ギリギリの方々は、慌ててマイホームを探すことになって大変そうでした。



いつ何があるかわからないなと思った出来事です
5. 長期的な資産形成への影響
社宅生活は住居費を抑えられる反面、住宅ローンを組んで持ち家を購入する機会を先延ばしにすることになります。
特に転勤が多い時期は持ち家を持ちにくいため、結果的に家賃を払い続ける期間が長くなってしまいます。
不動産は一般的に資産価値があるとされており、住宅ローンの支払いは将来的な資産形成につながります。
しかし社宅の家賃は、いくら安くても基本的には”消費”であり、将来に残る資産にはなりません。
また、住宅ローン控除などの税制優遇措置も受けられないため、長期的な視点で見ると経済的なメリットが相殺される可能性もあります。
あなたは社宅生活向き?チェックポイント


ここまで社宅生活のメリット・デメリットを詳しく見てきました。
結局のところ、社宅生活が向いているかどうかは個人の価値観やライフスタイルによって大きく異なります。
以下のチェックポイントを参考に、あなた自身の状況を振り返ってみてくださいね◎
社宅生活に向いている人の特徴
- 経済面を最優先に考える人
- 人付き合いが楽しめる人
- 転勤期間が限定的な人
- 住環境への強いこだわりがない人
経済面を最優先に考える人
- 住居費を抑えて他の部分にお金を回したい
- 将来の資産形成のために今は節約したい



このような方にとって社宅は大きなメリットが!
人との交流を楽しめる人
- 新しい土地で積極的に人との関係を築きたい
- 子どもにも多くの大人との関わりを持たせたい



このような方は社宅コミュニティを活用して充実した生活を送れますよ
転勤期間が限定的な人
- 転勤が数年で終わる予定がある
- 将来的にはマイホームを購入する計画がある



このような方にとって社宅は一時的な住まいとして非常に効率的!
住環境への強いこだわりがない人
- 住まいの条件にそれほど強いこだわりがない
- 基本的な生活ができれば満足



このような方は社宅の制約をそれほど負担に感じないでしょう
社宅生活に向いていない人の特徴
プライバシーを重視する人
- 家族の時間を大切にしたい
- 他人に生活を知られたくない
- 自分のペースで生活したい



このような方には、社宅の密接な人間関係は窮屈に感じられるかも
住環境に強いこだわりがある人
- インテリアにこだわりたい
- 特定の設備が必要
- 立地に強い希望がある



このような方は、選択肢が限られる社宅では満足できない可能性が
長期的な資産形成を重視する人
- 早めに住宅ローンを組んで資産形成を始めたい
- 住宅ローン控除を活用したい



このような方は、社宅生活が資産形成の機会を遅らせるリスクがあります
職場とプライベートを完全に分けたい人
- 仕事とプライベートは完全に分離したい
- 職場の人間関係を家庭に持ち込みたくない



このような方は、社宅は適していないかも
あなたにぴったりな暮らしを見つけよう


社宅生活には確かに多くのメリットがありますが、同時に無視できないデメリットも存在します。
重要なのは、これらの要素をあなた自身の価値観やライフプランと照らし合わせて判断することです。
経済面でのメリットを最優先に考えるなら社宅は魅力的。
一方で、プライバシーや住環境の自由度を重視するなら賃貸住宅やマイホームでの生活の方が安らげるかもしれません。
また、転勤期間の長さや子どもの年齢、将来の住宅購入計画なども重要な判断材料になります。
どちらを選択するにしても、その決断に自信を持って新しい土地での生活を楽しんでください。
転勤族の生活には確かに大変な面もありますが、様々な土地で多くの人と出会い、子どもたちにも貴重な経験をさせてあげられる素晴らしい面もあります。
新しい土地での生活が、あなたとご家族にとって有意義なものになることを心より願っています。





